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四十肩、五十肩と素人判断で勘違いしやすい腱板損傷・断裂 (写真あり)

ハマーン  (50歳代・男性) 2014年04月01日
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病気
肩腱板断裂
病院
東京慈恵会医科大学附属病院
関連
肩こり・肩の痛み

年齢が40代、50代になると肩を痛めることも増えてくると思います。
みなさんもよく聞くのは四十肩・五十肩ではないでしょうか。

私の周りでも四十肩・五十肩で辛い、という声はよく聞きます。
四十肩・五十肩は肩の中で起こる靭帯や腱、関節包に起こる炎症であり、症状としては、

●肩を動かす、あるいは回すと痛い
●肩が挙がらない
●夜中や早朝に痛みが強くなる

などでしょうか。

去年、左肩が四十肩にかかり、しばらく整形外科に通院していました。
処方されたのは湿布だけで、2、3ヶ月ほどして気が付いたら良くなっていました。

仕事場の同僚たちから聞かされていた通り、時間が経つと良くなる場合が多いようです。
先生からはそのうち良くなるよ、と言われましたが、まれに治療が遅れたり怠ることで肩の運動能力に後遺症が残るケースもあるからケアはしっかりしてね、と釘を刺されました。

今回取り上げるのは、この四十肩・五十肩と症状が似ている怪我です。
それが腱板損傷・断裂です。

腱板は腕と肩をつないでいる腱で、腕を回したり、腕を挙げるときに使う腱です。
この腱を痛めてしまうと四十肩・五十肩に良く似た症状が出ます。

明らかに四十肩・五十肩と異なるのは誰かに腕を持って挙げてもらう事は可能だということです。
ただ、関節内の炎症が酷くなるとそれも痛みで出来なるなるので四十肩・五十肩の区別が素人にはできなくなります。

それ以外は、

●肩を動かす、あるいは回すと痛い
●肩が挙がらない
●夜中や早朝に痛みが強くなる

とよく似ています。

わたしのケースは腱板断裂で、手術が必要でした。腱板断裂を発症したのは2010年でしたので、腱板断裂は四十肩よりも先に患ったことになります。

今振り返ると思うのですが、素人には四十肩と腱板断裂の区別は難しいです。
実際先生に伺ったところ、

●四十肩・五十肩と勘違いして腱板損傷・断裂の治療をしていないケース
●素人判断で四十肩・五十肩と思い込み、損傷・断裂と気付かないで放置しているケース

が中・高齢者の四十肩・五十肩経験者の数割程度にも及ぶそうです。
ですので肩に違和感を感じた際には自己判断せず、スポーツ医などの専門の整形外科で診てもらうことをお勧めします。

私の場合の治療の経緯ですが、ある日突然肩全体の痛みとともに腕が挙がらなくなりました。
すぐにかかりつけの整形外科の先生に診てもらうとMRIを撮ってきてとのこと。
MRIを撮って先生に見せるとすぐに大学病院を紹介されました。

先生から聞いた腱板損傷・断裂の原因ですが、

●重い物を腕だけで力ずくで持ち上げようとした
●肩甲骨をあまり動かす習慣がないため肩の筋や腱のバランスが悪くなっていた
●転んで肩を打った

などが考えられるそうです。
私の場合は「重い物」と「肩甲骨をあまり動かしてこなかった」でした。

さて、大学病院では先生からすぐに手術することを強く勧められました。

仕事の都合もありすぐに手術ができなかったので、手術を半年後に伸ばすことにして痛み止めの注射でしのいでいました。

内容としては、

1.肩口にステロイド剤の注射を打つ&ロキソニン処方
2.一週間後様子を見て、改善が見られなければまた注射
3.数回打って痛みが改善しなければステロイド→ヒアルロン酸の注射にチェンジ
(ステロイドは消炎作用が強いが骨が脆くなるなど副作用が強いため)

でした。これを半年続けたのですが、注射の効果は最初は嘘のように痛みが消えました。
しかし、次第に効果は弱くなり、半年が経過した頃には、注射の効果は次の日には無くなり、痛みが元通りになっていました。

ちなみに私の場合はロキソニンは全く効かずでした。


さて、手術を担当した先生はスポーツ整形外科医でした。
(病院は東京慈恵会医科大学附属病院)

●入院期間は3泊4日
●手術前日に入院、前日夜9時から飲食禁止
●当日は麻酔の時間を含めて3時間半ほど
●麻酔が切れて胃が動き始めれば飲食可能
●手術当日はかなり痛みが強い(座薬の痛み止めがよく効きました)
●手術した腕は三角巾に通し、包帯で胴にぐるぐる巻きで固定
●手術は関節鏡による低侵襲方式で傷口は3箇所
●入院にかかった費用は10万程度、高額医療の保障で8万程度だったと記憶しています。
●4~6週間は三角巾で腕を固定
●理学療法士(以下PT)によるリハビリは術後数日で開始(最初はPTさんに動かしてもらっていました)
●最初の3ヶ月間は毎月通院、肩の高さ(90度)まで腕が挙がるのが最初の目標
●筋力を付けていくリハビリは三角巾が取れてから2、3週間後でした
●チューブを使ったリハビリなどでインナーマッスル(内部の筋肉)を鍛える
●肩甲骨を動かすリハビリで肩全体の可動域を広げる

私の場合は利き腕が患部でしたので、とくに食事や入浴、トイレ(大きいほう。拭きづらかった)が大変でした。
予後は良好で今は可動域も広くなり重い荷物も持てるようになりました。

肩口に3箇所、小指の先ほどの傷が今も残っています(写真参照)。
肩を出す機会が多い女性の場合は形成外科処置で傷口をキレイにすることもできるようです。

結びとして、四十肩・五十肩と勘違いしやすいのでくれぐれも自己判断せずに病院で診てもらった方がいいです。

また先にも述べたように数割の方が腱板損傷・断裂に気付かずに放置しているそうですので、肩が気になる方も受診をお勧めします。
治療をせずに放置しておくと予後が悪くなり肩の運動能力が著しく悪くなるそうです。

蛇足ですが、高額医療費は入院前に手続を完了させて認定証をもらっておいた方がいいです。
でないと後からの償還になるので、本当に高額医療になってしまいます。

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コメント(1件)

  • Caloouser55296
    初めまして。
    自分も右肩腱板損傷剥離で手術しました。
    自分の場合はベンチプレス競技をしている関係で肩にかかる負担が酷いため
    練習中にバキと言う音がして肩に力がはいらなくなりました。
    手術は札幌の羊ヶ丘病院岡本先生にしてもらいました。リハビリ6ヶ月と長期かかりましたが
    どうにかベンチプレス出来るまで回復しました。やはりインナーマッスルと肩甲骨ストレッチを
    今でも強化して再発防止に努めています。やはり肩関節は専門医にかかることが最善ですね。
    投稿:2015/03/02
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