社会医療法人河北医療財団 天本病院 の口コミ・評判

　先月末に、記憶が４時間ほど消えるという怖い体験をしました。風邪をひいて近所の耳鼻咽喉科に行った時のことです。車で駐車場に到着した所までは覚えています。が、気が付いた時は自宅にいました。手元に診療明細や、処方箋、処方薬や領収書まであるのですが、記憶がありません。病院から少し離れた調剤薬局にも行っているようなのですが、思い出そうにも思い出せません。車で行っているので、もしかしたら、事故でも起こしてショックで記憶が消えた？と駐車場に行ってみました。車は所定の駐車場にきちんと止めてあり、傷もありません。
　私は、どうしてしまったのだろう？と、数日、その記憶を取り戻そうと焦りました。耳鼻咽喉科の内装とか、先生は男の人だったのか女の人だったのか?ネブライザーなどの処置もしていると明細書には記載されていますがその事さえ全く思い出せません。怖かったです。
　私の脳に何かしら異変が起きたのだろうと、新天本病院に電話をしてみました。電話に出た方に、この奇妙な事象を話しました。親身になって聞いていただき、脳外科の医師に相談もしてくださり、私の都合とすり合わせていただいてＭＲＩ検査と診察の予約を入れていただきました。大変、心強かったです。
　受診前に、耳鼻咽喉科や調剤薬局に電話して、その時の様子も伺いました。もしかしたら、転倒して頭を打ったとか？朦朧としていたとか？そんな話も聴けるかと思ったからです。が、その時の私は、受け答えもはっきりしていて、問診票にも既往歴や、飲んでいる薬、かつて副作用を起こした薬なども記載していて変わった様子はなかったということでした。さらに、伺ってもみました。お会いすることで記憶が戻るかと思ったのですが、思い出せませんでした。
　受診当日は息子に付き添ってもらいました。受付後の問診票は、項目も多かったので少し時間を要しました。手術歴や服用薬などのメモ書きを持参して行ってよかったです。さらに、ＭＲＩを受ける前に看護師さんからの口頭の問診と貴金属などを身に着けていないかなどの確認がありました。ヒートテックの下着やタイツなどは、ＭＲＩ検査を行う場合に火傷などの症状が出る恐れがあるというのは初めて知りました。検査室に入って、再度、技師さんから同じ確認がありました。その技師さんが、ちょっと威圧的だった事と、着替えをする場所の配慮がもう少しあったら？と思った以外は、本当に、受付の女性も看護師さんも丁寧で、好感がもてました。
　検査の結果ですが、先生が丁寧に画像を見ながら『やはり、一過性全健忘でしょうね』とおっしゃいました。画像には、隠れ脳梗塞も、脳の萎縮も見られないということでした。息子にもその画像を見せて説明をしてくださいました。それでも、私が『その時に普通に対応していたらしいのです』という言葉を聴きながら先生が少し表情を緩めて『そうなんです。それが一過性全健忘の特徴なんです』とさらに、大きな文献書を持ってきて、そのページを息子にも見せて説明をされました。この病院に来ても、今までも数例診ているほか、ほとんどは、今回だけの１回だけで終わっていること、老若男女関係なく起こることなど。それでも食いついて矢継ぎ早に質問してしまいました。『先生、血管のつまりとかもないですか？』それも画像を一コマ一コマ丁寧に見てくださり『大丈夫です』と言ってくれました。還暦を過ぎていた割には、きれいな脳だったということで、多少の脳の損傷は覚悟していただけに本当にホッとしました。ここで検査・診察ができて本当によかったと思える瞬間でした。
　さらに、先生は看護師さんに『画像を焼いてお渡ししてください』と話され、脳画像をＣＤに焼いて下さり持ち帰ることもできました。会計を待っている１０分ちょっとで渡されました。至れり尽くせりの対応に、本当に助かりました。
　ほかの方のコメントは、ごくごく一部の方だと思うのですが、私に関してはとてもいい病院だったと感じております。
　最後に、異変があってこの病院に電話をしたのは、昨年読んだ書籍の中にに、新天本病院のことが書かれていたからです。その基本理念の通り患者の立場にたって、私のようにあれこれ質問をしても嫌な顔一つせず、親身に答えていただきました。何よりもその信頼関係が大切なのだと、今回、私自身が当事者になって感じ得たことを記載しました。