Caloo(カルー) - 療養のため帰省したが症状が悪化。うつ病患者の家族さまへ。 : 病気体験レポート
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療養のため帰省したが症状が悪化。うつ病患者の家族さまへ。

チョココ  (30歳代・女性)

オススメ: 12,812views 2015年05月31日投稿 58votes 3comments
病気パニック障害自律神経失調症うつ病
病院社会医療法人興生会 横手興生病院石田内科医院
製薬10mgセルシン錠、アモバン錠7.5、サインバルタカプセル30mg、イミグラン錠50、マグラックス錠250mg
関連気が滅入る・不安

私は今、うつ病とパニック障害を患って入院しています。
あくまで任意入院ですので、行動制限はあまりありませんが、
それでも閉鎖病棟に入っている点では、
おそらく一般の皆さまが想像される通りだと思います。

私はここに、休養目的で自分から入院希望しました。
自宅では朝早くから夜遅くまで働きづめの夫に、
さらに家事や私の看病の負担をかけるわけにはいかず、
このままでは共倒れになると判断し、
実家へ行って休養することになりました。
しかし、それでも結局は入院を選ばざるを得なくなりました。
どうしてだか、お分かりでしょうか?

実家では、確かに楽に出来ました。
家の掃除や皿洗いなど、調子の良い時は家事も手伝いましたし、
自分の部屋の掃除、洗濯、布団干しなども自分で行っていました。
朝は胃が働かない方で、食べると吐き気を催すこともありましたが、
薬と思って頑張って食べ、健康的な生活を送ろうとしました。
調子のいい時は外出し、車の運転もしました。
それもこれも、早く家に帰りたいがため。
そして徐々に身体を慣らし、社会復帰するためです。
その一心で、こういう病気に関する国の補助や、
就職支援を探り、資格のための勉強も少しずつ頑張ってきました。

もちろん、頑張りすぎると身体は異常に疲れるし、
今日は良くても明日はぐったり、なんてこともしょっちゅうです。
酷ければ、二日ほど動けず寝てることもありました。
家族も、最初のうちは心配し、気遣ってくれました。
最初のうちは。

しかし、二ヶ月が過ぎ、三ヶ月が過ぎると、
次第にトゲのある言葉が増えていきました。
朝、身体がだるくて起き上がれず、遅く朝食に起きて行ったら、
「いつまで寝てるの。そんなだらしないから治らないんだよ」
日中、散歩やストレッチを日課にしていましたが、
気分がうまく乗らず、動悸がするので横になっていると、
「そんなんで家に帰れると思ってるの。体力落ちる一方でしょ」
外出先、動悸がするのでゆっくり歩いていると、
「ノタノタ歩かないでしゃきっとしなさい。これも運動だよ」

他にも、いろんなことを言われました。
「ちょっと壁にぶつかったくらいで、すぐ仕事辞めちゃって根性ない」
「今の若い子は、ほんと心が弱い」
「頭も身体も壊れてばっかりで、いいところが一つもない」
「このままじゃ、(夫)くんに愛想つかされて離婚されるよ。
そうなっても家じゃ引き取らないからね」
「うちの家系に、精神病にかかる人は一人もいなかったのにねえ」
「いつまで家にいる気?そろそろ帰ることも考えるべきでしょ。
なのにあんたはサボってばっかり。本当にやる気あるの?」
「(夫)くんが可哀想。三ヶ月もほったらかしにされて」
「あんたが働かないと、家計大変なんじゃないの?
こんな病気抱えたまま、このまま将来やっていけるの?」

いくら冗談半分でも、からかい口調であっても、
本当に心配して言っている言葉であっても、受け取る方は傷つくもの。
だってこれは全部自分の悩みですし、
言われなくとも十分すぎるほど不安に思ってることばかりですからね。
患者は、そうでなくとも早く社会復帰したくて焦っています。
傍目からは怠けてるように見えても、好きでそうしてる訳ではありません。
むしろ、不安ばかりが渦巻いて止まらなくなるから、
眠って意識をなくしていた方が、安心ということもあるのです。
身内であっても、許せる言葉とそうでない言葉があります。
まして娘であるとはいえ、別家庭になっている以上、
聞いてはいけない家庭の事情もあるはずです。
さらに、無理を言って居候をしている自覚がある以上、
これらの言葉に反論する権利は、患者側にはありません。
相手が絶対に言い返せないと思っている言葉を、
家族とは言え、冗談半分とは言え、言っていいものでしょうか?

先生は何度も、「うつ病もパニック障害も、頭がおかしいとか、
根本的な精神疾患ではありません。脳内物質の分泌が、
ストレスに晒されてうまく働かず、身体が常に緊張状態なんです。
だからこそ、休養が一番の治療なんです」と説明して下さいました。
しかし、その場では聞き分け良く聞き、愛想良くうなずいても、
時が経つとやっぱり昔の感覚の「精神病は頭のおかしい人がかかる病気」に、
勝手に脳内変換され、薬さえ飲んでいれば、身体を動かすようにすれば、
家族が叱咤激励すれば治るものだと、結局は患者自身を追い詰めていきます。

私はそういう言葉に晒され続け、ある日ぷっつりと感情が途切れました。
元々細い食欲もなくなり、体重も一気に6キロは減りました。
あばらが浮き、腰骨が異常に出っ張ってきました。
「またわがままか」と罵られましたが、全く誰にも感情を示さず、
機械的にご飯を食べ、一言も喋らず部屋に引きこもる私を見て、
一週間経ってようやく危機感を感じてきたようです。
受診日の時、呼んでもいないのに診察室に押し入ってきました。
せっかく先生に、今の苦しい胸の内を話そうとしていたのに。
そうして、自分に都合よく「うちの娘は昔からわがままで」と、
ベラベラ喋る姿を見ているうちに、感謝どころか憎しみすら湧いてきました。

先生の前で、ドヤ顔で「脳内物質の〜」と私に諭し始めた時には、
「それ、一年前におかしくなった時、私がきっちり説明したじゃん!
(夫)だって、「言葉遣いにストレスかかる」とは言ってるけど、
今じゃ勉強して知識仕入れて、少しでも知ろうと努力してくれてるよ!
「離婚されるよ」ってからかわれた時、どんなに私が不安になったか分かる!?
それを(夫)が一所懸命「愛してるから、大丈夫だから待ってるよ」って宥めてくれて、
今でもずっと言い続けてくれてやっと落ち着いたの、知りもしないでしょう!
それでもその後も、同じ言葉を言い続けたよね!
そんな調子だったのに、今まで何にも知らない、勉強しようともせずに、
自己流の治し方ばかり主張してうるさく言ってたの!?
こういう病気は治すのに年単位でかかるって言っておいたよね、
薬で治るものでもないとも最初にちゃんと説明しておいたよね!
なのに風邪引いた程度に簡単に治るとでも思ってたの!?
そんなこと、今さら言われなくても全部知ってるよ!」と、
泣きながら怒鳴りつけてしまいました。
先生は、そんな私の様子をおかしいと思ったのでしょう。
「ちょっと落ち着いたら、二人でゆっくり喋りましょう」と、
家族別々にして面談して下さいました。
結果、「今のままだと環境が良くないので、入院」の流れになりました。

今、確かに閉鎖病棟にいますし、不便もいろいろあります。
だけど今、心のうちはすごくやすらかです。
私の病気を知り、それでも非難せず受け止めてもらえるから。
危険防止のため、何もない部屋ではありますが、
元よりTVはあまり見ないし、ネット環境は許してもらえたので、
時間制限などは厳しいですが、それで十分満足です。
久しぶりに、夢も見ずにぐっすり眠れました。
入院前の一週間前は、幻聴や幻覚が見えたり、
眠りが浅いのか、変な夢を見て飛び起きてばかりでしたから。
食事の時は起こされますが、眠っていても何も言われません。
先生曰く「実家での余計なストレスが溜まりすぎて、
前より緊張状態が酷くなっている。まず、眠ったりして休みなさい」だそうです。

家族の方もうつ病患者を抱えて、ストレスを感じたり、
世間体を考えると恥ずかしく思ったり、八つ当たりしたくなると思います。
だけど、ちょっと考えてみてください。
それはあなた自身が、八つ当たりの対象を求めているだけではありませんか?
うつ病になって、何より悲しく、悔しく、もどかしく思っているのは、
間違いなく患者さん本人です。しかも望んでそうなったわけではありません。
元気そうに見えても、楽しそうに見えても、本心からではありません。
自分の生活に関しての、経済的、社会的不安に常に晒されています。
心の中は、将来への不安で渦巻いていて、叫びたいほど不安なのです。
周囲に言われずとも、痛いほどに傷ついてもがいているのです。

「家族だから」「気安い関係だから」
そういう関係であれば、近しい人を平気で傷つけてもいいのですか?
言葉であっても、人は傷つきます。それはご自分でも分かっているはずです。
「冗談だった」「本気じゃなく、軽い気持ちで」
そう仰るのであれば、それは間違いなくいじめです。
しかも、絶対に言い返せないとわかっている弱い立場の人に対する、
もっとも卑怯で陰険な手口での、ストレス発散目的のいじめです。
そんな人間が、子どもに対して「いじめはいけません」と、
胸を張って言えるでしょうか?子どもは大人をよく見ていますよ。

うつ病の患者さん家族も、ストレスを抱えていると思います。
時には何気ない一言で、
「おまえのためにいろいろ頑張ってるのに、なんでそんなこと言うんだよ!」
とブチ切れたくなることもあると思います。それは当たり前です。
うつ病患者も、そういう負担をかけていて申し訳なく思ってますし、
家族が時にはキレたくなることがあることも理解しています。
例えそれでケンカになったとしても、お互いに落ち着いてから話し合えば、
案外すんなり解決できたりもします。突発的にかっとなって、思ってもいない
暴言を吐いてしまうことは、誰にだってあることですから。
しかし、「知識のない、独善的考えによる善意の皮を被った悪意」ほど、
タチの悪いものはありません。
なにしろ、言ってる当人はそれを善意と信じて疑わないのですから。

すべての人に、私のケースが当てはまるとは限りません。
あくまで、うつ病を患う一個人の考えと思ってください。
しかし、こういう身近な人による、不勉強・無関心、
かつ独善的な考えを押し付けてくる無意識なモラハラによって、
快復に向かって頑張っていた患者さんがどんどん追い詰められ、
絶望して最悪の結末を迎えることがないよう、願ってやみません。
最悪の事態になった時、近しい人ほど「あんなに世話したのに、なんで……」と
嘆き、悲しむのかもしれません。
だけど本人は、白々しく軽蔑しながらそんな様子を見ているでしょう。
「善人ぶって人を追い詰めたくせに、何を今さら偉そうに。この偽善者」と、
ずっとあなたを恨んでいるかもしれないのです。

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コメント(3件)

  • (削除されました)

  • ぴの
    はじめまして。
    先日鬱と診断されました。
    まだ正直なんで私が?と疑ってます。
    チョココさんの体験談を読み、涙が。。
    共感できることがいっぱいあるんです。

    私の場合、まだ身内はとくになんとも言われませんが、職場で心無い言葉を浴びせられ、ココロもカラダも動かなくなり、休職になりました。

    今は家でゆっくりしていますが、いつか私もチョココさんの御家族みたく罵られるのではないかと、ビクビクしています。
    鬱=甘えという昔の考えを捨てて欲しいですね。
    投稿:2015/12/25 01:53
  • チョココ
    lichtbeさん、コメントありがとうございます。
    レス遅くなって申し訳ありませんでした。

    「眠って意識をなくす」というのは、先生のお話によると、
    実は自己防御作用でもあるそうです。
    うつ病は内部の怒りを発散出来ず暴走している状態なので、
    これ以上身体を壊さないために、身体が自動で睡眠を求めるんだとか。
    家族の心無い言葉に晒されるよりは、いっそ意識のない方が楽だと、
    身体が判断したんでしょうね、私の場合は。

    自分の中でさんざん自問自答し、自責し、無理矢理にでも納得させて、
    まずは身体状況をよくしようとした矢先に言われる身内の言葉は、
    まさに「自分でわかってないと思われている」言葉でした。
    あの後もいろいろありまして、今では実家の話すら出来ません。
    実家方面のニュースが出るだけで過呼吸が起きるので、
    完全に接触を断つ状態にしてやっと最近落ち着いて来ました。
    でもこんな風になるまで、まさか実家が敵になるとは思いもしませんでした。
    今は夫と二人、静かに過ごしています。
    投稿:2016/01/28 21:11
  • チョココ
    ぴのさん、コメントありがとうございます。
    レス遅れて申し訳ありませんでした。

    私も精神疾患と言われた時はものすごくショックでした。
    でもそれまでの身体の不調(頭痛・腰痛・めまい・過呼吸など)が、
    全て精神的なものから来ると知り、やっと受け入れられました。
    それまであちこちの病院に罹っていましたが、根本的問題が精神では、
    そりゃどこに通院しても治るわけはないんですよね。
    そちらに対処するようにしたら、完全にとまではいきませんが、
    頭痛や腰痛の頻度がかなり減ってきています。

    私も原因は職場の人間関係です。私は逆にずっと無視され続けて壊れました。
    結局退職になりましたが、それならと上司に思い切りぶちまけて来ました。
    当時の職場の方との繋がりもまだあるので、会った時に今の状況を話してます。
    当事者はしぶとく在籍してるみたいですが、人一人壊したとの噂が立ち、
    かなり居づらいようですよ。因果応報というやつですね。

    が……職場はそれですっきりしたとしても、
    まさか実の親に追い詰められてさらに壊れるとは思いませんでした。
    先生によれば「夫に対して親としての責任を感じたのでは」との事ですが、
    伸びようとしている新芽を無理に引っ張って成長させようとするもので、
    私としては実の親でも(実の親だからこそ)許せないのです。
    療養させてくれた恩義は感じていますが、実家に帰ってさらに悪化した以上、
    実家は安住の地ではないと判断し、今は接触を絶っています。
    親不孝とは思いますが、実家の話題が出ただけで過呼吸を起こすのですから、
    もう仕方ないと割り切り、今の生活に集中しています。

    うつは甘えでは決してありません。
    好きなこと、楽しいことのみやって遊んでるように見えるでしょうが、
    そうして目を逸らしていなければ心が安定しないほど不安定なのです。
    生活や仕事、将来など不安要素は嫌という程自覚していますが、
    それを考える地盤がガタガタで壊れてしまっているのがうつ病です。
    また……私も今回のことで実感しましたが、うつ病の原因は、
    幼少時の育成状況も深く関係するので、そう簡単に解決はしません。
    ぴのさんのご家族が、私の家族のようでないと良いですね。
    投稿:2016/01/28 21:35

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